相続手続
相続手続
被相続人が遺言をしないで亡くなると、相続人の間で遺産分割協議を行う必要があります。遺産分割協議は相続人全員の合意によってのみ成立しますので、1人でも欠けた場合その協議は無効となります。このため遺産分割協議の前段階として、相続人の確定をしたり、被相続人にどのような財産があったのかを調査する必要があります。ここでは遺産分割協議完了までの流れを説明します。
▪️相続人確定調査
相続手続きはまず法定相続人の確定調査から始めます。そのためには被相続人(亡くなった方)の出生から死亡までの連続した戸除籍謄本・改正原戸籍謄本を収集する必要があります。集めた戸籍を精査して法定相続人を確定したら相続関係説明図・法定相続情報一覧図を作成します。
法定相続情報一覧図の交付申請は相続人のほか、行政書士や司法書士等が資格者代理人としてお手続きすることができます。
▪️相続財産調査
被相続人が亡くなった時点でどのような財産を有していたかを調査します。土地や建物などの不動産のほか預貯金や株式などの金融資産、借金などの債務も含まれます。それぞれ公的書類や残高証明書などから評価額を算出し上で、相続財産目録を作成します。
▪️遺産分割協議書の作成
相続財産目録を確認して、どの財産を誰がどのような割合で取得するのか話し合を行います。前述のとおりこの協議は相続人全員で行う必要があり、一人でも欠けた場合その協議は無効になります。そのため最初の相続人確定調査は漏れの無いように確実に行う必要があります。
協議がまとまったら、遺産分割協議書を作成し、相続人全員が署名捺印をして遺産分割完了となります。
▪️各種名義変更
遺産分割協議で決まった財産取得者への名義変更手続きを行います。また相続財産の額によっては相続税の申告も必要となります。
▪️相続手続きに必要となる標準的な書類
相続に関する書類
- 被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本・除籍謄本・改正原戸籍謄本
- 被相続人の住民票の徐票
- 相続人の戸籍謄本
- 相続人の住民票
- 相続人の印鑑登録証明書
- 受遺者の住民票など
財産に関する書類
- 固定資産評価証明書
- 不動産登記簿謄本
- 不動産の名寄せ帳
- 預貯金通帳
- 金融機関が発行する残高証明書
- 自動車の車検証
- 葬儀関係の領収証
- 死亡保険金支払い明細書
- 保険証書など
相続手続きはお早めに
遺産分割協議自体には特に期間の制限はありませんが、相続放棄や限定承認は相続開始を知った時から3ヶ月以内、相続税の申告は相続開始から10ヶ月以内にすることが原則です。これらことを考えればなるべく早期に相続手続きに着手し、遺産分割協議を行うことが望ましいといえます。
相続の手続きに慣れているという方は少ないと思います。何から手をつけたらいいか分からない、手続きに不安がある方は当事務所へご相談ください。必要書類の収集から各種お手続きまで代行いたします。
※不動産登記、相続税申告が必要な方は信頼できる司法書士、税理士に委任致します。
遺言とは
遺言は法律で定められた事項について遺言者が生前にする最終意思を遺言者の死後に実現させるものです。遺言の法的効果が発生するときには遺言をした本人は亡くなっており、その真偽を確認することはできません。そのため遺言の要式は法律で厳格に定められており、その方式に違背するものは無効となってしまいます。しかし正しい知識のもとで遺言書を作成すれば、相続争いを予防できる可能性が高くなり、遺された者たちを円満相続に導くことができます。
遺言書の種類
遺言書には普通方式として、自筆証書遺言・公正証書遺言・秘密証書遺言の3つがあります。それぞれの特徴は下記のとおりです。
▪️自筆証書遺言
遺言者が自書する遺言です。全文、日付、氏名を自書して印を押す必要があります。法改正により、自筆証書遺言と一体のものとして相続財産の全文又は一部について目録を添付する場合は、その目録については自書する必要がなくなりました。また、法務局で遺言書を保管することもできます。
もっとも簡易に作成でき、費用もほとんどかからない方法ですが、自身で保管する場合は紛失、改竄、隠匿や未発見のおそれがあります。また、家庭裁判所での検認が必要になります。
▪️公正証書遺言
公証役場にて公証人が作成する遺言書です。遺言者が公証人及び証人2名の前で、遺言内容を口授し、公証人がそれを筆記して作成します。遺言者は内容に間違いがなければ署名押印だけすればよく、内容を自書する必要はありません。
公正証書遺言の原本は公証役場で保管されるため、紛失、改ざん、隠匿のおそれはありません。また、家庭裁判所の検認も必要なく直ちに遺言の執行が可能です。
デメリットとしては、作成に費用がかかることや、少なくとも証人2人と公証人には遺言内容を知られてしまうことなどがあります。
▪️秘密証書遺言
遺言者が遺言書を封書に入れて封じ、遺言書に用いた印章で封印します。これを公証人及び証人2人以上の前に提出して、自己の遺言である旨、筆者の氏名・住所を申述します。公証人がその遺言書を提出した日付及び遺言者の申述を封紙に記載した後、遺言者及び証人とともに署名捺印します。秘密証書遺言は遺言書の存在を明らかにした上で、その内容は秘密にすることができ、偽造や変造の危険もなく、費用も公正証書遺言に比べると安くてすみます。しかし、紛失や隠匿の危険は残り、家庭裁判所の開封と検認が必要となります。
遺言は公正証書がおすすめ
上記のように3種類の遺言にはそれぞれメリット・デメリットがあります。自筆証書遺言も法務局での保管制度を利用した場合は検認不要となりましたが、遺言執行の手続きでは相続人が遺言書情報証明書を請求・取得しなければならないなど、相続人に多少の負担がかかります。この点、公正証書遺言では直ちに遺言の執行が行えるので、相続人の負担軽減になります。費用がかかるなどのデメリットを考慮しても遺言は公正証書にするのがおすすめです。
エンディングノート
エンディングノートは遺言書のように要式が決まっているわけではなく、好きなことをかくことができます。自分の歩んできた人生を振り返って思い出を書いてみたり、家族への感謝の気持ちを書いたりすることもできます。望む葬儀の方法や葬儀に呼んでほしい人の連絡先を書いておくと遺族の負担軽減にもなります。遺言書と併せて作成しておくと効果的です。
まずは一通作成してみましょう
遺言をするには遺言能力が必要となります。認知症などにより、この遺言をする能力がなくなってしまうと有効な遺言をすることができなくなってしまうことがあります。遺言書は元気なうちに作成しましょう。遺言は一度したら撤回や変更ができないということはありません。遺言者はいつでも遺言の方式に従って遺言の全部又は一部を撤回、変更することができます。まずは1通作成してみましょう。
遺言書作成のサポート
遺言書作成に関する相談及び指導、文案の作成、公正役場での事前調整など全般をサポートいたします。まずはお問い合わせの上、初回無料相談をご利用ください。